リトルリーガーズショルダーについて

リトルリーガーズショルダー(上腕骨近位骨端線離開)とは

 成長期特有の骨端線の存在と成長の早い骨とその速度に対して遅れる筋・腱の成長速度の違いによって、成長期の選手の肩は骨端線が離開しやすい状態にあります。繰り替えされる投球のストレスにて生じることで骨端線が離開することをリトルリーガーズショルダー(上腕骨近位骨端線離開)といいます。

 主な症状は投球時・投球後の肩の痛みであり、投球困難となります。徐々に生じる場合と1回の投球で投球不能となる場合があります。日常生活ではほぼ無症状であることも特徴です。

 好発年齢は11歳~13歳に集中します。ポジションとしては投手が半数を占めます。身体の特徴としては、肩後方の柔軟性の低下が認められます。

リトルリーガーズショルダーの主な原因

コッキング期~フォロースル―期における肩関節外転・外旋位からの急激な内旋運動により、肩関節に回旋ストレスが原因の一つとして挙げられます(図1)。また、フォロースル―期の牽引ストレスも要因として挙げられます(図2)。これらの主な2つのストレスが繰り返され過度な負荷を強要され、骨端線を有している成長期の選手の骨端線を離開させます。

さらに、投球動作は肩の動きだけではなくフォームの一連の中で下半身や体幹の動きも関連しています。

しかし、この時期の選手は体幹や下半身の柔軟性が低下しており、投球フォームにおいて体幹~下半身に制限が生じてしまうことが多いです。また技術的にも高校生や大人と比較しても低く、肘下がりや身体の開きが早いなどのフォームにて投球している選手が多く見受けられる時期です。そのために上半身に頼ったフォームになりがちなことも肩の障害を助長させてしまいます。

図1 回旋ストレス

図2 牽引ストレス

セルフチェックポイント

 ■身体的特徴として、以下の項目に機能低下がある場合は要注意です

 

  ・肩後方の柔軟性低下

 

  ・肩外旋筋力の低下

 

  ・体幹から股関節周囲の柔軟性低下


  *オーバーユース(投球数が多い・連投する)なども問題とされています。

①肩外旋筋力

②肩後方の硬さ

③大腿部前方の硬さ

④大腿部後方の硬さ


⑤体幹の硬さ

⑥腹筋の筋力


セルフコンディショニング

①肩外旋筋力の強化

②肩後方のストレッチ

③大腿四頭筋のストレッチ

④ハムストリングスのストレッチ


⑤体幹のストレッチ



⑥腹筋の筋力トレーニング