腰椎分離症について

Ⅰ.原因

成長期の子供に多く、腰椎の椎弓関節突起間部と呼ばれる部分の疲労骨折です。怪我のように一度の原因で起こるわけではなく、腰椎の伸展・回旋(反る動作やひねる動作)を繰り返すことで特定の部位(特に第5腰椎)にメカニカルストレスが蓄積され、疲労骨折を起こします。スポーツとしては腰を伸展・回旋することの多い野球やサッカー、バレーボールなどに多いです。

 股関節前面・後面の硬さ、胸椎伸展(後ろに反る)の硬さ、腹筋の機能不全、腰椎前彎の増大(腰の反りが強い)など、腰以外の機能低下がスポーツ動作においての腰椎の代償(他の部分の動きを補うため)を起きやすくします。代償が繰り返されることにより腰椎の一部にストレスが多く加わり、その部位の疲労骨折を起こします。

Ⅱ.症状

注意するポイント

①練習量過多

②腰を反らせるor捻じると痛いことが2週間以上続く

   ③腰の筋肉が痛むのではなく、場所が腰骨で、人差し指で示せる様に範囲も狭い

 

分離症の病期は3つに分けられ、初期・進行期・末期です。

初期は運動をする時にのみ腰痛が出現することが多く、特に腰を反らせる時に出現しやすいです。そのためただの腰痛だと思い、スポーツをそのまま継続してしまい発見が遅れることが多々あります。また、レントゲンのみでは発見することが難しいことが多くCTMRIでの診断が必要なため、この点も発見を遅らせる原因と考えられます。この時期に発見できた場合は骨癒合の可能性が高く、腰椎の伸展・回旋を防止した装具を着用し、スポーツ活動の休止を約3か月程度行い、骨癒合が得られた時点でスポーツ活動へ復帰します。スポーツ休養期間中も股関節・胸郭のストレッチング、腹筋群の筋力トレーニングは継続します。

 進行期・末期になるとレントゲンにおいても分離部がはっきりとわかるようになりますが、この時期では骨折部が癒合する可能性が低くなり、慢性腰痛となりやすくなります。症状が落ち着き次第、ストレッチングや体幹の筋力トレーニングを行い、スポーツ活動へ復帰します。

 

何れにせよ早期発見・予防が大切になります 

Ⅲ.チェックポイント

①胸椎伸展の柔軟性 

③大腿後面部の柔軟性

⑤腰椎前彎位

②大腿前面部の柔軟性

④股関節内旋の柔軟性

⑥腹筋の筋力


*各自でチェックし、×の状態の部分に対してトレーニングを行います

Ⅳ.予防方法

テスト①で×の方

テスト③で×の方


テスト⑤で×の方 

テスト②で×の方

テスト④で×の方

テスト⑥で×の方